マグニチュードとは
マグニチュードというのは地震そのものの大きさを表す値で、計算方法が定められています。
前回の記事でも少し触れましたが、7.0を超えれば大地震といってよいと思われます。
これは地震のエネルギーを数学的に表したものですが、この値が大きいほど、その揺れは遠くまで及びます。
逆に言うと、どんなに大きな地震でも、その地震が起きた場所(震源といいます)から遠く離れていれば、その場所ではあまり大きくは揺れないということです。
マグニチュードが小さくても、起きた場所が自分のいる場所と近ければ大きな揺れとなるとも言えます。
震度とは
このように、地震の起きた場所や大きさだけでは自分のいる場所の揺れの大きさがわからないので、それを表したものが震度になります。これも気象庁が計算して地震発生から間を置かず発表しています。
震度は、0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階からなります。
この値は平成8年までは体感や周囲の状況などから判断していて、かなりあいまいなものであったのが、現在では計測震度という各地に設置された地震計の記録に基づいた客観的なものに変わりました。
前回示した兵庫県南部地震や熊本地震など、最近では震度7といった大きな揺れが報告されることが増えている気がします。ただし、震度8というのはなく、どんなに大きな揺れであっても7ということになります。
また、東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0という非常に大きな地震ですが、震源から距離があったので震度7を記録した地域はごくわずかです。
一方、熊本地震では同じ場所で2回震度7を観測した史上初の災害となりました。
地震の揺れはどう測るか
震度とマグニチュードについて簡単に説明しましたが、本当はその前に地震の揺れとは何かという話をしなければいけないと思います。
地震の揺れとは地面の揺れということになりますが、その揺れは時間ごとに変化します。
地震を地震動と言ったり地震波と言ったりしますが、自分の立っている場所が水平2方向、鉛直方向の合計3方向に動くということは皆さん理解されていると思います。その移動の時間当たりの大きさ(変位)、速さ(速度)、速さの変化度合い(加速度)が地震の揺れの3要素です。
日本では地震計というものが全国いたるところに配置されていて、地震のたびにこの揺れを計測しています。
計測震度では、この地震計で得られた3方向の加速度記録に対して数学的処理を行い、震度という一つの指標に換算する方法を採用しています。
なお、今後予想される大地震(例えば南海トラフ地震など)における予想震度に関しては、各地域の市役所のホームページ等で地震ハザードマップとして示されています。ぜひ皆さんも地震ハザードマップでご自宅のある地域の予想震度を調べてみてください。
ただし、建物に作用する地震力については震度だけで決まるわけではありません。その点に関しては今後説明していくつもりです。