地震発生のメカニズムについて
皆さんも聞かれたことがあるかと思いますが、地震発生のメカニズムとして図1のようなメカニズムが考えられています。
このメカニズムを理解する上で重要なのは、地球がいくつかのプレートに覆われていてそのプレートが少しずつ移動しているということです。
日本周辺では、太平洋プレートとフィリピン海プレートと呼ばれる二つの海のプレートが陸のプレートの下にもぐりこんでおり、これが主に海で発生する地震(海溝型地震)の原因となります。通常は固着しているプレートの間にひずみが蓄積して、耐えきれなくなると地震が発生すると考えられています(図2)。
それに対し、内陸(陸のプレート)の比較的浅いところで発生する地震があります(図1の「陸域の浅い地震」)。
この地震は海のプレートに押されることで陸のプレートの一部に弱点となる断層が生じて、何年かに一度そのひずみを解放することで起きる地震です。これを内陸直下型地震と呼んでいます。また、このような断層を「活断層」と呼んでいます。
海溝型地震
「海溝型地震」の震源は、海のプレートと陸のプレートの境界(図1の「プレート境界の地震」)と海のプレートの中(図1の「沈み込むプレート内の地震」)があります。
この地震は、非常に震源域が広いことからマグニチュードの大きな地震となり、その影響範囲も広大です。
コラム1「地震国、日本における地震対策の歴史」の記事で示した図表で「相模トラフ」や「太平洋プレート」と記述されている地震は、この海溝型地震のうちのプレート境界型地震です。>
また、現在高い確率で起こるといわれている南海トラフ地震も、この海溝型地震です。
内陸直下型地震
内陸直下型地震のマグニチュードは海溝型地震と比較すると小さいといえますが、震源が近いことから、影響範囲は小さいものの局地的に大きな揺れを発生させて都市などに大被害をもたらします。 一部の地域で震度7を記録した兵庫県南部地震や熊本地震などは、この種類の地震です。
津波に関しては、海溝型地震の場合には大きな津波が発生しますが、内陸型地震では発生することはほとんどありません。>
二つの地震の違いは?
この二つの地震の性質(揺れ)の差としては、海溝型地震の方が内陸直下型地震に比べて長周期成分を多く持っているということがあり、超高層ビルなどの高い建物に影響を及ぼします。
この地震の波の「長周期」の意味や、それが建物にどのような影響を与えるかについては、次回お話ししていきます。